健康日本21で国民の健康寿命を延ばす

健康日本21とは、「21世紀における国民健康づくり運動」のことを指し、国民の健康寿命を延ばすために推進されています。2000年からスタートし、第1次が2000年から2012年、第2次が2013年から2022年のスパンで区切られています。第1次は、栄養食生活の14項目と身体活動、運動の6項目などで数値目標が設定され、国民の健康意識を高めることとなりました。第2次では、生活習慣病や社会生活の営みに必要な機能の維持と向上、栄養や食生活などで数値目標が設定されています。

健康日本21の達成状況で、成果を上げているのがメタボリックシンドロームです。肥満の割合を、20歳から60歳代男性で31.2%から28%、40歳から60歳代女性で22.2%から19%へ減らすことに成功しています。そのほか、成人の喫煙率を19.5%から11%まで減少させました。しかし、日常生活での歩数は減少するなど、悪化している部分も見られます。

健康日本21は、国民の健康を考えた目標の設定が理念としてあります。ですが、たばこ産業に関わる企業や組合の反対により、成人喫煙率を10年間で半減させる当初の目標が撤回されたことに疑問を抱く人もいるのです。さらに、生活習慣病は高齢者にとって避けられない病気であり、対策したところで効果が得られるのかという問題もありました。そのため、健康日本21の目標数値は、国民に規定の生活習慣を押し付けるものではないと前置きされています。